観音・勢至もろともに

観音・勢至もろともに 慈光世界を照曜(しょうよう)し
有縁を度してしばらくも 休息あることなかりけり
(浄土和讃)

観音菩薩・勢至菩薩はともに、慈しみの光で世界を照らします。
縁あるものを救い取って、少しも休む間ががありません。
※観音菩薩:慈悲の徳をあらわす菩薩 勢至菩薩:智慧の徳をあらわす菩薩

十方衆生のためにとて

十方衆生のためにとて 如来の法蔵あつめてぞ
本願弘誓に帰せしむる 大心海を帰命せよ
(浄土和讃)

すべての衆生のために、あらゆる仏がたの功徳をそなえ、阿弥陀仏の本願を勧めてくださっています。
海のように大きな慈悲の心をそなえている大心海(だいしんかい)に帰命するがよい。
※大心海とは阿弥陀仏の別名です。

安楽無量の大菩薩

安楽無量の大菩薩 一生補処にいたるなり
普賢の徳に帰してこそ 穢国(えこく)にかならず化するなれ
(浄土和讃)

阿弥陀仏の浄土の無数の菩薩がたは、みな一生補処の位に至っています。
菩薩は慈しみのはたらきをそなえており、迷いの世界に還り来てあらゆるものを教え導きます。
※一生補処(いっしょうふしょ)の位:次の生涯には仏となることができる位

弥陀初会の聖衆は

弥陀初会の聖衆は 算数のおよぶことぞなき
浄土をねがはんひとはみな 広大会を帰命せよ
(浄土和讃)

阿弥陀仏の最初の説法に集まった聖者がたは、数えられないほどです。
浄土に生まれることを願う者はみな、広大会(こうだいえ)に帰命するがよい。
※広大会は阿弥陀仏の別名です。極楽浄土に多数の者が集まる徳を意味します。

仏光測量なきゆゑに

仏光測量なきゆゑに 難思光仏となづけたり
諸仏は往生嘆じつつ 弥陀の功徳を称せしむ
(浄土和讃)

阿弥陀仏の光ははかり知れないので、難思光仏と申し上げます。
あらゆる仏がたは、すべてのものを往生させる阿弥陀仏の功徳をほめたたえておられます。

光明てらしてたえざれば

光明てらしてたえざれば 不断光仏となづけたり
聞光力のゆゑなれば 心不断にて往生す
(浄土和讃)

阿弥陀仏の光は絶えることなく照らすので、不断光仏と申し上げます。
その光のはたらきを聞く信心も絶えることなく、往生することができます。

無明の闇を破するゆゑ

無明の闇(あん)を破するゆゑ 智慧光仏となづけたり
一切諸仏・三乗衆 ともに嘆誉(たんよ)したまへり
(浄土和讃)

阿弥陀仏の光は無明の闇を破るので、智慧光仏と申し上げます。
すべての仏も、菩薩、縁覚、声聞も、共にほめたたえておられます。

慈光はるかにかぶらしめ

慈光はるかにかぶらしめ ひかりのいたるところには
法喜をうとぞのべたまふ 大安慰を帰命せよ
(浄土和讃)

阿弥陀仏の慈しみの光はあらゆるものを照らします。その光が届くところでは、喜びの心を得るといわれています。大いなる安らぎと慰めを与える大安慰(だいあんに)に帰命するがよい。
※「大安慰」は阿弥陀如来の別名です。

道光明朗超絶せり

道光明朗超絶せり 清浄光仏とまうすなり
ひとたび光照かぶるもの 業垢(ごうく)をのぞき解脱をう
(浄土和讃)

阿弥陀仏のさとりの光は明るく清らかであるから、清浄光仏と申し上げます。
ひとたびこの光に照らされたものは、罪や煩悩が除かれ、みなさとりを開くのであります。

仏光照曜最第一

仏光照曜(ぶっこうしょうよう)最第一 光炎王仏となづけたり
三塗(さんず)の黒闇ひらくなり 大応供(だいおうぐ)を帰命せよ
(浄土和讃)

阿弥陀仏の光は最も優れているから、光炎王仏と申し上げます。
その光は、地獄・餓鬼・畜生という迷いの闇の世界を打ち破ります。
あらゆる供養を受けるにふさわしい大応供に帰命するがよい。
※「大応供」とは阿弥陀如来の別名です。